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第182章 給与の仕組みが変わりました
みずほファイナンシャルグループが完全能力給へシフト、年功序列型給与を廃止しました。
テレビを見ていて「大手も遂にここまで来たか!」と思いました。街頭の人達は、一様にやや賛成の雰囲気でインタビューに答えてはいましたが、現実は厳しいということにあまり気づいていないのでは?と感じるシーンでした。
寄らば大樹の影といわれたかつての時代、年功序列を背景に終身雇用を期待して、クビにならないような『気遣い』を美徳としてきましたが、これも過去の遺物となります。他のテレビでも「働かないおじさん(おばさん)」が日本企業の持つ現代の問題点だと言っていました。
今後は、生産性の下がった中高年をベテランだからと、いつまでも放っておくほど企業の余裕もなくなったということですね。
人の能力というものは、成長と共に『思考力・記憶力・行動力』が向上していきます。そして、成人してからは、身近なコミュニティからの学びや社会経験からの失敗や成功体験により『問題解決力』が向上し、これがいわゆる仕事上での『能力』となって発揮されるわけです。
この『問題解決力』の『スピードと量』が45歳付近をピークに徐々に降下していきます。原因は老化です。これはどうにも抗えません。従って、実力本位の能力給では、その問題解決力=能力に応じて成果が出るものとすれば45歳をピークとして給与は確実に下がっていきます。今後、若い人達は特に、日本人の貯蓄に関する常識も変化し、アメリカ人のように貯蓄よりも投資を重視する考え方に変わるでしょうね。老後の安心を、企業でも国でもない、自身の知恵と工夫で作っていく国にならざるを得なくなると言えます。しかし、人間万事塞翁が馬、これが今は悲観的だとしても何が幸いするかわからないものなので、この点だけは期待したいものです(合掌)。